2011春ワークキャンプ報告
2011夏 根室ワークキャンプ 報告



【期間】
 8月31日(水)〜9月6日(火) 6泊7日

【場所】
 渡邊野鳥保護区フレシマ、渡邊野鳥保護区ソウサンベツ、
 三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽隣接地

【受け入れ先】
 ○日本野鳥の会 野鳥保護区事業所
  ・松本 潤慶さん
  ・小畑 拓也さん
  ・岩坂 菜奈さん
 ○春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター
  ・手嶋 洋子さん
  ・松岡 佑昌さん

【参加大学】
 東京農業大学、東北大学、帝京科学大学、日本大学
 計4大学5名

【作業内容】
 ・植樹用苗畑作り
 ・崩落地の植生回復作業
 ・間伐材の集材作業
 ・カエル池づくり
 ・きのこのほだ木づくり
 ・保護区事業所の大掃除

【その他活動】
 ○根室の自然、日本野鳥の会についてのレクチャー
 ○山本純朗さんによるシマフクロウセミナー
 ○野外セミナー
 ○懇親会
 ○自然保護セミナー

【7日間の活動内容】
<1日目>
午前:移動、集合
午後:買い出し
   根室の自然、日本野鳥の会についてのレクチャー
夜:山本純朗さんによるシマフクロウセミナー

<2日目>
午前:植樹用苗畑作り(渡邊野鳥保護区酪陽)
午後:植樹用苗畑作り

<3日目>
午前:崩落地植生回復作業
午後:崩落地植生回復作業
夜:自然保護セミナー

<4日目>
午前:野外セミナー
午後:野外セミナー
 夜:懇親会

<5日目>
午前:間伐材の集材作業
午後:間伐材の集材作業
   カエル池づくり

<6日目>
午前:きのこのほだ木づくり
午後:保護区事業所の大掃除

<7日目>
午前:大掃除、根室ワークキャンプ振り返り
   解散

【作業の成果】

@植樹用苗畑作り(三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽隣接地)
(公財)日本野鳥の会では、シマフクロウのが棲める森を再生するために植樹活動を行なっています。
今回のワークキャンプでは、植樹用の苗を育てるための苗畑を1日かけて作りました。


土を耕すためスコップで表土をはがします。

鍬で耕していき完成です。
A崩落地の植生回復作業(渡邊野鳥保護区フレシマ)
渡邊野鳥保護区フレシマでは、植生維持管理のため馬を放牧しています。しかし馬が群れで歩くため斜面が崩れ、近くの湿原に表土が流出してしまっています。
表土の流出した土地は粘土層が露出して、草木が生えることができません。
今回のワークキャンプでは植生回復のために粘土層の土地の修繕を行なってきました。

植樹用苗畑作りの際に切り出した表土を、
渡邊野鳥保護区フレシマまでトラックで運びます。
その量トラック5台分でした!!

運び出した表土を並べていきます。

完成!!
B間伐材の集材作業(渡邊野鳥保護区ソウサンベツ)
渡邊野鳥保護区ソウサンベツの森は細い幹が混み合っている、また混みあった幹により林床に光が届かず笹が繁茂している状態です。
なので幹を間引くために、ミズナラの二次林の除間伐の活動を行なっています。
11春ワークキャンプで実施したところ、東日本大震災が発生したため作業が中断してしまいました。
今回のワークキャンプでは、間伐を終え、搬出を控えた間伐材が笹の下に散乱して危険な状態なので、間伐材の整理をしてきました。

見つけ次第後で分かるように近くの木に立てかけていきます。

蒔きストーブに使用するために運び出しも行いました。
Bカエル池づくり
早春にシマフクロウの餌となるエゾアカガエルが集まって繁殖できる池を堀り、シマフクロウの餌場を作りました。

1箇所は小川の途中にタライを埋めてため池を作りました。

もう1箇所は懸命に水が出てくるまで穴を掘り、池を作りました。

完成!
Dきのこのほだ木作り
除間伐材の利用の一貫としてきのこが生えるようなほだ木を作りました。



ほだ木に穴を開けて、穴にきのこの菌をいれていきます。

日差しが薄く当たる針葉樹林内に積んで、
きのこが生えてくるのを待ちます。
E保護区事業所の大掃除
お世話になった宿泊施設である、保護区事業所をワックスもかけてピカピカに大掃除しました。
保護区事業所は様々なボランティアも利用しているので、多くの方が利用しやすいようにしました。

【その他の活動】
○根室の自然、日本野鳥の会についてのレクチャー
これから作業する根室にはどういう自然があるのか、受け入れ先の野鳥保護区事業所ではどのような活動が行われているか等を松本レンジャーから説明していただきました。

○山本純朗さんによるシマフクロウセミナー
シマフクロウの研究の第一人者である山本さんから、シマフクロウの調査の様子、知られざる生態等についてセミナーをしていただきました。

○野外セミナー
根室の自然、開発問題など実際現地をみながら1日かけて松本レンジャー、松岡レンジャーに案内していただきました。
●ルート
春国岱→風力発電の風車→花咲車石→郷土資料館→牧の内→納沙布岬→北方原生花園→牧の内→根室道路

春国岱の木道を歩きながら松岡レンジャーに解説していただきました。

バードストライクが問題とされている風力発電。
大きさに驚きました!!

野外セミナーでは、根室の雄大な自然と歴史、
開発問題について体感し、学びました。
○懇親会
受け入れ先のレンジャーの方や漁師の方が来てくださり、学生に貴重な話をたくさんしていただきました。
特に将来について考えさせられたと参加者から感想がでました。

○自然保護セミナー
自然保護活動の全体像をみるセミナーを行いました。
自然保護活動はどのように体型づけられるのか、自然保護には何が必要なのかを話し合いました。

【ワークキャンプで得たこと】

最終日には7日間通して何を得たか?を考えてもらいました。

東北大学経済学部4年 原田健司

まず最初に五感を通してこの豊かな自然を感じて心地が良い、楽しいという気持ちになれたこと。
そしてその経験を今持っていること、この経験は人生の中で貴重な財産として心に刻まれている。
次に素晴らしい仲間と、料理から作業まで協力し合いながらやり終えたこと。
釧路駅で会うまで不安で仕方なかったけど、日々過ごすうちにレンジャーの方、仲間と過ごす時間が愛おしくなっていった。
このワークキャンプで出会ったすべての人たちとの出会いが、僕の人生をより豊かにしたはずだ。
最後に野外セミナーや作業の中で、様々な生き物や自然環境と出会いレンジャーの方々などから解説してもらったこと。
植物の名前とかをもっと覚えよう、もっと野外に出かけて自然を楽しもう。
そういう気持ちに心がみたされたこと、そしてこれからも自然保護に関心を持ち関わっていきたいと思うこと、これも大事な収穫である。

日本大学生物資源学部2年 谷田部翔麻

私は自然保護に興味を持っていたので表面上の事は知っているつもりで、このワークキャンプに臨みました。
しかし実際は知らないことが多すぎて、知っている気でいた自分がとても恥ずかしいです。
まず自然保護については、野鳥保護区が主に土地の買取りによって行われていることを知り驚きました。
特にシマフクロウは絶滅危惧種に指定されているにも関わらず、今もなお生息域が減少している現状を知り、現場の自然保護の現状を体感することができました。
次に根室をとりまく生態系と環境について知り、知識が深まりました。
本州とは異なった生物種がいることは知っていましたが、驚きの連続で今まで以上に生き物ついて興味をもち、深く追求する気持ちが高まりました。
最後に特に私が特に得た最高のものは、実際にレンジャーの力、同じ興味をもった方と活動できた時間です。
自分のこれからの人生を考える中で何かしらのきっかけを手に入れる機会になったと思います。
レンジャーの方から現場の声を聞くことは滅多にないので、1つ1つのお話を思い返して今後の将来の展望に役立てたいです。
昔からフィールドに出て直接自然保護の活動をしてみたかったので1つの夢が叶って清々しい気持ちです。
フィールドで活動することだけが自然保護ではないという事を学ぶことができたので、これからは考え方を変えて広い視野で自然保護について考えていきたいです。

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