コアジサシは、カモメ科アジサシ属に分類される海鳥です。世界中に広く分布する海鳥ですが、日本にはオセアニアの島々で冬を過ごした集団が、赤道を越えて繁殖のために飛来します。5〜8月の繁殖期に海岸の砂浜や河川の河原・中州でコロニーと呼ばれる集団を作り、繁殖します。ところが近年、開発によってそのような環境は激減し、それに伴いコアジサシも減少傾向にあります。環境省の日本版レッドリストでは「絶滅危惧Ⅱ
類」に指定されており、都道府県によっては絶滅寸前や絶滅危惧種との判断がされています。コアジサシが飛来する地域では繁殖地の保護や、繁殖環境の整備が行われている現状です。
特定非営利活動法人リトルターン・プロジェクトは、絶滅が危惧されている海鳥、コアジサシの営巣が東京都森ヶ崎水再生センターの施設屋上で発見されたことから、2001年に設立され、世界初の試みである森ヶ崎の屋上営巣地においてのコアジサシの保全を目的として活動しています。そして、従来の生息環境である、干潟や砂浜、玉砂利河原などの環境保全も視野に入れ、自然と人間のかかわり合いのひとつのかたちとして、この試みが日本国内や海外に波及していくことを目標としています。
一般市民を対象とした営巣地保全・再生のための環境整備事業、海浜や裸地を生息地とする生物種の保全のための調査研究、観察会や講習会等による環境学習、裸地自然の環境保全のための普及啓発、関連団体ならびに研究者間のネットワーク構築のための交流事業を行い、一般市民に的確な情報を提供することによって、野生生物種と人間との共生を実現することに寄与しています。
<主な活動>
2001年 森ヶ崎水再生センター屋上でコアジサシの営巣が発見されたのを機に「特定非営利活動法人リトルターン・プロジェクト」を発足。
2002年 コアジサシの飛来状況調査、シェルター設置などの環境の整備。
2005年 栄巣状況調査、捕食調査の実施。
調査ボランティアの募集、ボランティアと地元向け観察会実施。
2009年 近隣栄巣地調査、繁殖実態調査、栄巣地講習会の実施。
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TEL:090-7633-2002(担当:青柳)
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