2009夏 根室ワークキャンプ報告
概要
【期間】
 8月31日(月)〜9月7日(月) 7泊8日
【場所】
 渡邊野鳥保護区フレシマ、渡邊野鳥保護区ソウサンベツ、
 三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽
【受け入れ先】
 ○日本野鳥の会 野鳥保護区事業所
  ・富岡 辰先さん
  ・松本 潤慶さん
 ○春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター
  ・手嶋 洋子さん
【参加大学】
 法政大学、東京農業大学、東京農工大学、帝京科学大学、日本大学(5大学8名)
【作業内容】
 ○記念碑周りの草刈り(三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽、渡邊野鳥保護区フレシマ)
  ・鹿柵作り(渡邊野鳥保護区ソウサンベツ)
  ・除幕式(三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽)
  ・薪割り
  ・土留め作業(渡邊野鳥保護区フレシマ)
  ・ヤナギのポット植え(渡邊野鳥保護区フレシマ)
  ・間伐作業(渡邊野鳥保護区ソウサンベツ)
【その他活動】
 ○根室の自然、日本野鳥の会についてのレクチャー
 ○春国岱ネイチャーセンターでの「タンチョウレクチャー」
 ○聞く、聴く、コミュニケーションセミナー
 ○山本 純朗さんによるシマフクロウセミナー
 ○野外セミナー
 ○野外セミナー振り返り
 ○風蓮湖でのタンチョウの子育て観察
 ○懇親会
 ○自然保護セミナー
 ○「シマフクロウの森を育てようプロジェクト」「生物多様性オフセット」の説明、見学
 ○根室ワークキャンプ振り返り
8日間の活動内容
<1日目>
午前:
 移動、集合
午後:
 買い出し
夜:
 根室の自然、日本野鳥の会についてのレクチャー
 フリートークタイム

<2日目>
午前:
 記念碑周りの草刈り(三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽)
午後:
 記念碑周りの草刈り(渡邊野鳥保護区フレシマ)
 春国岱ネイチャーセンターでの「タンチョウレクチャー」
 聞く、聴く、コミュニケーションセミナー
夜:
 フリートーク

<3日目>
午前:
 鹿柵作り(渡邊野鳥保護区ソウサンベツ)
午後:
 鹿柵作り(渡邊野鳥保護区ソウサンベツ)
夜:
 山本 純朗さんによるシマフクロウセミナー
 フリートーク

<4日目>
午前:
 野外セミナー
午後:
 野外セミナー
夜:
 野外セミナー振り返り

<5日目>
午前:
 除幕式(三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽)
午後:
 風蓮湖でのタンチョウの子育て観察、薪割り
夜:
 懇親会

<6日目>
午前:
 土留め作業(渡邊野鳥保護区フレシマ)
 ヤナギのポット植え(渡邊野鳥保護区フレシマ)
午後:
 土留め作業(渡邊野鳥保護区フレシマ)
 ヤナギのポット植え(渡邊野鳥保護区フレシマ)
夜:
 自然保護セミナー

<7日目>
午前:
 「シマフクロウの森を育てようプロジェクト」「生物多様性オフセット」説明、見学
 間伐作業(渡邊野鳥保護区ソウサンベツ)
午後:
 間伐作業(渡邊野鳥保護区ソウサンベツ)
夜:
 フリートーク

<8日目>
午前:
 大掃除、根室ワークキャンプ振り返り
午後:
 道具類片付け(残った人)
作業の成果
・記念碑周りの草刈り(三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽、渡邊野鳥保護区フレシマ)

 三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽、渡邊野鳥保護区フレシマの記念碑周りの整備として草刈りをしました。受け入れ先のレンジャーの方々が草刈り機を使い、学生が刈った草を集めたり、刈りきれなかった草を抜いたりする作業をしました。台風の中の作業で雨と寒さの戦いでしたが、記念碑周りをきれいにすることが出来ました。

・鹿柵作り(渡邊野鳥保護区ソウサンベツ)

 植林した苗を鹿が食べてしまうのを防ぐために渡邊野鳥保護区ソウサンベツに鹿柵を作りました。単管パイプを等間隔に地面に打ち込み、そこに金属網を固定していく作業でした。金属網をたるまないように引っ張ることが難しく時間もかかりましたが予定された面積の鹿柵を作り終えることが出来ました。
・除幕式(三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽)

 三菱UFJ信託銀行の支援により新しく三菱UFJ信託銀行野鳥保護区酪陽が出来たことのお祝いとして除幕式が行われました。学生は除幕式の設営準備や受付等の進行の手伝いを行いました。テレビや新聞社等多くの報道関係の人達が来ている中無事に終えることが出来ました。
・薪割り

 間伐材を有効に利用するために薪割りを行いました。最初は扱いなれていない斧に苦戦していましたが、段々とコツをつかみ前回のワークキャンプで集めてあった木材をほとんど薪にすることができました。
・土留め作業(渡邊野鳥保護区フレシマ)

 渡邊野鳥保護区フレシマの一部に地面が崩落してしまっているところがあり、雨等により土壌が流出してしまうのでそれを防ぐため土嚢を使って土留め作業をしました。
 地面が崩落してしまった場所は足場が悪く土嚢を持って動くことがとても大変でしたが、バケツリレー形式で土嚢を運びだしました。
・ヤナギのポット植え(渡邊野鳥保護区フレシマ)

 渡邊野鳥保護区フレシマで土壌の流出を防ぐためにヤナギのポットを植える作業をしました。植え方等も何通りかに分けヤナギの定着率をこれから観察しどの植え方が最適か考えていきます。
・間伐作業(渡邊野鳥保護区ソウサンベツ)

 渡邊野鳥保護区ソウサンベツでシマフクロウが住めるような太い木が早く育つように間伐作業を行いました。1つの株から何本も幹が伸びている株立ちの木の中で細い木や曲がってしまっている木、枯れている木を選び切っていきました。
ヘルメットを被り、ノコギリで木を切る人と切った木が安全に倒れるのを助ける人の2人1組で作業していきました。お互い声を掛け合うことで怪我なく作業を終えることが出来、薄暗かった森に光が差し込むようになりました。
参加者の感想

東京農業大学2年 田中大介

今回初めてワークキャンプに参加させて頂きました。ワークキャンプでは様々な大学専攻の人たちと出会い、共に1週間過ごした事は私には大きなプラスになりました。

私が初めに感じた事は自然保護の知識の無さでした。大学で学んでいたしそれなりにはあったはずだったのですが、周りの人たちの方が豊富で常に感心させられることばっかりでした。しかし、毎日あるセミナーによって知識が増え、また色々な事を学べました。夜のフリータイムではレンジャーの話を聞き、また仲間と話をして将来に役立つようなアドバイスを受け、いい刺激になりました。

ワークキャンプに参加して色々な方向性、思考が増えました。本当に私にとって一回りも二回りも大きく成長したワークキャンプでした。

日本大学3年 白銀友美子

私が根室ワークキャンプに参加した理由は「シマフクロウの話が聞けるから」この1つでした。ですが、根室で過ごしているうちに私は想像以上に様々なことに影響をうけ、シマフクロウの話を聞く頃には他の事で頭が満たされていました。根室の不思議な自然のこと、現地のレンジャーの方々の活動のこと、様々な経験のこと…。私には想像もつかないような出来事が沢山起こっていたのです。

もちろんシマフクロウの話も興味深かったのですが、それ以外の興味深い出来事も沢山知ることができました。根室ワークキャンプに参加してすっかり根室のとりこでしたが、他の地方はどうなのだろうと考える時もありました。山や川が多い日本には、盆地や三角州などに根室のような固有の生態系や、自然環境があってもおかしくないと思ったのです。また、そういった特有の環境には根室では思いつかなかったような保護、保全対策が成されているはずなのです。

私は根室ワークキャンプを通して自然保護と関わっていくためのきっかけをつくることが出来たと思っています。これを期に様々な自然環境や仕組み、それに対する保護活動にまずはボランティアから意欲的に参加していこうと思います。

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