2008夏 鶴居WC報告
<開催地>
北海道阿寒郡鶴居村字中雪裡南
 (財)日本野鳥の会 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ

<開催期間>
2008年8月25日(月)〜8月30日(土) 5泊6日
【スケジュール】
8月25日(月)初日
羽田集合
釧路空港着、昼食・買出
鶴居村到着
オリエンテーション
ボランティアセミナー

8月26日(火)
早瀬野鳥保護区温根内タンチョウの営巣環境の調査
自然保護セミナー

8月27日(水)
タンチョウ教材作り
タンチョウセミナー

8月28日(木)
タンチョウ教材作り続き
釧路湿原野生生物保護センター(ワイルドライフセンター)見学
懇親会

8月29日(金)
野外セミナー
野外セミナー振り返り

8月30日(土)最終日
宿泊施設の大掃除
ワークキャンプ振り返り
鶴見台付近の川で鮭の溯上を観察
鶴見台にてレンジャーと別れ、釧路駅にて解散
【作業報告】
・早瀬野鳥保護区温根内でのタンチョウの営巣環境の調査
早瀬野鳥保護区温根内では数年前に湿原に茂ったハンノキ林の伐採を行ったことで、タンチョウが飛来しやすくなり、繁殖をしたことがあったそうです。
そこで今回私たちは伐採地点の調査区を設置するとともに、タンチョウの営巣できる環境を維持するために、伐採されたハンノキの現状を調査する予定でした。
実際に湿原の中に入るということでぬかるみに足を取られたり川に落ちそうになりましたが、なんとか草だらけの藪の中にハンノキの伐採の痕跡を見つけ出すことができました。

ところが雨のため作業は中断、調査区設置の杭を立てたところで残念ながら現場から撤退することとなりました。
しかし身近に湿原というものの存在に触れられる、とても良い機会でした。

・タンチョウ解説のための教材作り
タンチョウについて学んでもらうために使用する教材を2種類製作しました。

1つ目は、タンチョウの成鳥の等身大パネルです。
タンチョウ型のアクリル板で裏に磁石がついており、小学校など黒板がある場所で使える教材になっています。羽の部分など複雑な形を四角い板から切り出すのが大変でした。

2つ目は、実物大かつ同じ重量のぬいぐるみです。
布で実物大タンチョウのぬいぐるみを作り、中に綿や重し入れて完成しました。布を縫い合わせる作業や顔の部分の製作に力を入れていました。
タンチョウ作成中@
タンチョウ作成中A
タンチョウ完成!
【その他】
<セミナー>
1日目
ボランティアセミナー参加者にワークキャンプはボランティアであるという意識付けをするために実施しました。

2日目
自然保護セミナー
タンチョウを例に挙げて、タンチョウと自然を守るためには何が必要かを考えました。

3日目
タンチョウセミナー
タンチョウの今後についてみんなで話し合いました。

5日目
野外セミナー
タンチョウの保護に関わりの深い雪裡川、音羽橋、鶴見台などのほか、温根内ビジターセンターでは湿原のさまざまな姿を観察しました。
午後は雨ながらも細岡展望台から釧路湿原を眺めることができました。
<懇親会>
4日目に合宿研修所で懇親会を開催しました。
鶴居でタンチョウ保護や自然保護に携わっている方々に来ていただき、お酒や食事を交えながらさまざまなお話を聞くことができました。
【参加者の感想】
近日アップ予定。
【ワークキャンプで感じたこと】
日本大学生物資源科学部 3年 亀崎健太(チーフコーディネーター)

今回のワークキャンプは5泊6日と短い期間でしたが、たくさんの貴重な経験ができたワークキャンプであったと思っています。

天候にはあまり恵まれず肌寒い日も多かったですが、その分作業や野外セミナー、懇親会では鶴居に暮らす方々の温かい心に触れることができましたし、人だけではなく多くの野生動物が見られたという意味では非常に恵まれたワークキャンプでした。

個人的には鶴居の魅力はと聞かれると、「人と自然との絆」だと思います。
タンチョウという生き物が暮らしているのが大きな理由かもしれませんが、鶴居では人が身近にある湿原をはじめとする自然を受け入れながら生活していると私は感じています。

もちろんそこには多くの苦労があるでしょうし、私のように普段はまったく関係のない場所で暮らしている者が言うべきことではないかもしれません。実際鶴居ではタンチョウが増えすぎたことによる農家への被害もあり、ワークキャンプ中もそういった話を何度か聞くこともありました。参加者にとっても自然保護とは何かを考えさせられる話であったようです。しかしそうしたことを含めても、身近な自然と向き合って暮らす方々やタンチョウ保護に尽力しているレンジャーの方の姿を見ていると、普段は深く意識しない「自然との共生」という言葉が現実の問題として意識することができました。

これからまた鶴居に来られるかは分かりませんが、これからも自然保護というものを考えていく上で私にとっては鶴居WCは欠かすことのできない体験ですし、もし自然保護に少しでも興味がある人は絶対に鶴居に来ることをお勧めします。きっと意義深い経験になると思います。

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