2007夏 根室ワークキャンプ |
持田保護区、フレシマ保護区
チーフコーディネーター 下平 卓也(武蔵工業大学 4年) |
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【開催地】(財)日本野鳥の会 野鳥保護区事業所(北海道根室市東梅)
【開催期間】2007年8月27日(月)〜 9月 3日(月) 7泊8日 |
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【スケジュール】 |
■1日目(8/27)
午前 羽田空港集合
午後 買出し
夜 オリエンテーション
■2日目(8/28)
午前 下見
資材配置
午後 道路補修
夜 ボランティアセミナー
■3日目(8/29)
午前 バラ線張り (渡邊野鳥保護区フレシマ)
午後 ヤナギのさし木作り
■4日目(8/30)
終日 植樹作業
■5日目(8/31)
終日 野外セミナー
夜 懇親会
■6日目(9/ 1)
午前 バラ線張り
午後 ごみ拾い (ソウサンベツ野鳥保護区)
石碑草刈
夜 考えを言葉に使用セミナー
■7日目(9/ 2)
午前 見学 (春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター)
赤標識設置
午後 植生作業
■8日目(9/3)
午前 大掃除
まとめ
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【今回作業した保護区】 |
●持田保護区
1987年に日本野鳥の会が購入した野鳥保護区。面積は7.9ha。タンチョウが一つがい繁殖しており、ここで育った雛は100キロも離れた鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリに飛来しています。
近年、温根沼に架かる橋の架け替えや漁港の整備などにより潮流の変化が起こり、保護区の土地が収縮してきています。そのため、タンチョウの営巣が道路側に近づき、繁殖状況の悪化が懸念されています。
●フレシマ保護区
2005年に日本野鳥の会が購入した野鳥保護区。面積は203.7ha。根室市の太平洋側に位置し、五本松川とホロニタイ川の下流域に広がる湿原と湖沼と草原で形成され、北海道の海岸線の原風景が残されています。
ここでは植生管理のため、農家の協力を得て馬と牛が放牧されています。
しかし、馬牛の移動や雨により土壌が崩落侵食されているところが確認されており、去年同様今回もその植生復元作業を行いました。 |
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【作業報告】 |
○バラ線張り
渡邊野鳥保護区フレシマに大きな湖があります。冬になると水が凍り、湖を渡って放牧された馬が侵入してきてしまうので、それを防ぐために湖の周りにバラ線とよばれるバリケードを張っていきました。足場の悪い中全長200mのものが完成しました。
また馬が侵入し裸地が崩落するのを防ぐために去年張ったバラ線の補修作業も行いました。
○植生復元作業(フレシマ保護区)
去年の反省を踏まえながら引き続き、今年も崩落地内の植生の復元を試みました。崩落地内に方形枠をいくつか設置し、ヤナギ、ハンノキ、ダケカンバ、と一本の長さ、大きさ、量、間隔、木の年齢など、どの条件で一番植物が育つのか来年調べられるよう植栽しました。去年以上に根付いてくれるといいのですが。ちなみに去年根付いたやなぎは2割程度でした。
○道路整備(渡邊野鳥保護区フレシマ)
レンジャーの方々などが保護区を管理、巡回などするための道路があります。この道にタイヤのあとにそって凹む(わだち)ができてしまいました。それを補修するために土嚢袋に土、石をつめ、凹みを埋めるように並べることで車が無事に通れるようになりました。
○ごみ拾い・草刈(渡邊野鳥保護区ソウサンベツ)
去年大きな低気圧が根室に到来したことにより、保護区にたくさんのごみ(ペットボトル、ロープ、タイヤetc)が打ち上げられてきてしまいました。ごみによる影響がタンチョウたちに影響を及ぼさないように清掃活動を行いました。
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【その他の活動】 |
☆セミナー
模造紙、付箋などをつかってkj法とよばれる手法を用いたり、ボランティア、自然保護について知ったりお互い感じたこと、考えていることなどを参加者で話し合いました。それぞれが自分の思いを出し合うことで専門分野や興味が違う参加者それぞれの個性を知ることができるのもワークキャンプの楽しみの一つでした。
☆野外セミナー
根室周辺の自然を受け入れ先のかたに案内していただきながら勉強させていただきました。2007年に新しく保護区に加わった明治乳業野鳥保護区の調査のお手伝いをさせていただいたり、根室の道路開発問題を見て、聞いて感じたり、日本最東端の納沙布岬などなど色々な場所を回っていただきました。根室の雄大ですばらしい自然をみながら勉強もさせていただけてとても充実した時間を送れました。
☆懇親会
地域の方やネイチャーセンターの皆さん、根室で自然保護活動をしている方々などがきてくだり宿泊施設にあるバーベキューサイトで鹿肉、カニ、とうもろこし、さんまなどなど新鮮でおいしい食べ物を囲みながら語り合ったり根室について、自然保護についてと、様々な貴重なお話が聞くことができました。
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【ワークキャンプ全体を通して】 |
初日、現地に到着する時間がみんなばらばらになるハプニングの中、たくさんの方のご好意で無事にワークキャンプを開始することができました。現場での作業も雄大な自然の中とても楽しくやらせていただきました。宿泊施設もとても広く使いやすくゆっくりと体を休めることができました。
タンチョウや馬、オジロワシ、チュウヒ、などたくさんの生き物が見れたり、根室の雄大な自然を見ながらの作業や、去年と違って晴れた日が多かったことで、霧がない見渡せる景色もすばらしかったです。 |
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【参加者の声】 |
明治学院大学 法学部政治学科3年 松田有里子
私は以前からワークキャンプに興味があり、偶然FANのHPを見つけました。初めての地で慣れない作業ということもあってかなり迷いましたが、同世代の人達と一緒に根室の自然に触れてみたい!との思いが強く、参加を決めました。あの時に踏み出した一歩のおかげで、想像以上に多くのものを、このワークキャンプで得ることが出来ました。
まずなんといっても根室の雄大な自然です。多くの時間を過ごした野鳥保護区フレシマの緑豊かな大地と水面が煌めく青い海が織り成す絶景は、言葉では言い表せないほど綺麗で作業の疲れも忘れるくらい感動しました。野外セミナーではレンジャーの方々の貴重なお話を聞きながら、植物や野鳥を観察し、根室の自然に触れると共に根室の自然保護問題(風車・根室道路の開発)について学ぶことが出来ました。実際に風車にぶつかったオジロワシの写真を見て建設者側の一方的な行為に憤りを覚えながらも、自然と人間が共存できる道を模索していく必要性を強く感じました。また今回ありのままの自然が残るいくつかの野鳥保護区を訪れたことで、ナショナルトラストの理念や保護区の存在意義を肌で感じることができ、自然保護に関する視野がとても広まりました。
そして根室ではメンバーをはじめ、沢山の人達に出会うことが出来ました。根室で過ごした時間は決して長いものではないけれど深く記憶に残る時間となったのは、作業を通して根室の自然と触れあい、また皆さんと交流することが出来たからだと思います。自然保護セミナー中にみんなでやった野鳥の鳴き声は今でも思い出すだけで笑えます・・・(笑)また今回初めて参加して、このワークキャンプは本当に多くの人達に支えられて成り立っているものなのだということを実感しました。
受け入れ先である野鳥の会の富岡さん・有田さん・冨岡優子レンジャー、根室の皆さん、FANスタッフの皆さん、チーフ、コーディ、そして最後に根室ワークキャンプのみんな・・・充実した楽しい8日間を本当にありがとうございました!ぜひまた根室を訪れたいと思います。 |
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【ワークキャンプを終えて】 |
チーフコーディネーター 下平 卓也
今回2回目の根室ワークキャンプ参加でしたが、また、たくさんのことを勉強させていただきました。チーフとして至らないところも多々ありご迷惑かけることもしばしばありましたが、反省点を生かしてまた成長できたらと思います。
受け入れてくださったレンジャーの方々、支えてくださった地域の方々本当にありがとうございました。そして、共に活動することができたコーディネーター、参加者、サポートしてくれた方々本当にありがとうございました。
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【最後に】 |
根室ワークキャンプでは、根室の自然と自然保護を行う人々のつながりを強く感じました。また、自然保護問題なども生で見て感じることはとても勉強になると思います。自然が見たい人、現場で作業を行ってみたい人、自然保護に関心のある人、など現地に行って実際に見てみると世界観が変わるかもしれませんね!
たくさんの方のご参加、お持ちしております♪
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植栽作業 植えたよ〜! |
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道路整備 車が通れるようになったぁ! |
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フレシマの風景☆ |
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懇親会で・・・ファイヤー!!!!!!!!! |
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馬 『なにしてんの〜〜?』 |
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ジャガイモの匂いがする・・・? さて、何の花でしょう? |
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バラ線張り終了〜!後ろのほうまで・・・(みえないとこまで)全長200m |
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