2003年春のワークキャンプ
ウトナイ湖サンクチュアリ
チーフコーディネーター 原香織(江戸川大学4年)
(写真は一番下にあります!)
<開催地> 財)日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ(北海道苫小牧市)
<開催期間> 2003年2月10日(月)〜17日(月)
<活動内容>
【メイン作業 〜紙芝居製作〜】
今回メインとなった作業は、紙芝居づくりでした。紙芝居は、ネイチャーセンターと去年夏オープンしたての隣の野生鳥獣保護センター(来訪者の多くが親子連れ)に来るお客さんに向けたものです。私達に与えられたのは「ウトナイ湖で冬に見られる鳥」という題材のみ。伝えたいものは何だろう?どんなストーリーにしよう?コンセプト決めから色塗り、台本づくり、上演まで、レンジャーの指導とアドバイスのもと、ゼロから自分達で進めていきました。ワークキャンプ中という限られた時間の中での紙芝居づくりは一言では言えないくらい様々な道を経て、とても…大変なものでしたが、その結果として、メンバー全員の伝えたい事がうまくこもった、とてもいいものを作り上げる事ができ、ネイチャーセンターに残してくる事ができました。この紙芝居は、これからもずっとウトナイでレンジャーさんの手で上演されます。【野外セミナー】
野外セミナーとは、ウトナイ湖周辺の環境について現地で勉強し、実際に現場へ行って肌で感じるセミナーです。今回は、以前ウトナイ湖の大きな問題だった千歳川放水路計画(洪水対策)の現場と、隠された貴重な自然のある勇払原野、ウトナイ湖の水源である美々川を見てきました。人間がちょっと手を加えるだけで大きく姿を変えてしまう自然のはかなさと、勇払原野を見直す現在の保全活動、今残っている美しい自然を目の当たりにし、いろんな事を考えました。
【今回の日程スケジュール】
2月10日(月)AM8:25羽田空港発 10:35新千歳空港着、バスと徒歩にて11:50ネイチャーセンター着、昼食&レンジャーとお茶会、館内オリエンテーションとウトナイ湖サンクチュアリについての概要(岡本レンジャー)、買出し、夕食、夜11時頃岩崎・土屋合流
2月11日(火)<紙芝居製作1日目>午前:自己紹介、サンクチュアリ内フィールド散策(岡本レンジャー)、鳥獣保護センター(以下、保護セン)見学
午後:環境教育プログラムセミナー(原)、製作作業[紙芝居題材に結びつく情報集め、情報の整理、伝えたいテーマ決定]
夕食後:合意形成セミナー(岩崎)
2月12日(水)<野外セミナー>
日中:野外セミナー事前勉強会(原/葉山レンジャー)、野外セミナー(葉山レンジャー/原)
帰宅後:野外セミナー振り返り(原/葉山レンジャー)
夕食後:自然保護シュミレーションセミナー(土屋)
2月13日(木)<紙芝居製作2日目>
午前:紙芝居用台紙切り分け・貼り付け、事務仕事手伝い・保護センで情報収集
午後:主人公の鳥情報の共有、盛り込む内容について話し合い、絵コンテ、コマ配置
夕食後:ナイトハイク、明日のスケジュール決め・一日の振り返り、残業・ストーリー決定
2月14日(金)<紙芝居製作3日目>
午前:下絵書き
午後:下絵書き、色つけ始め
夕食後:下絵&色塗り、休憩(飲み会)、下絵&色塗り
2月15日(土)<紙芝居製作4日目>
午前:色塗り・台本書き
午後:色塗り、台本書き、夕方外に出てオオワシを観察、レンジャーの前で仮上演
2月16日(日)<紙芝居上演日>
午前:手直し、上演練習、保護センにて上演
午後:上演、紙芝居製作全体を通しての振り返り(岡本レンジャー)
打ち上げ準備&台本清書、打ち上げ&懇親会
2月17日(月)そうじ・片付け・荷物整理の後、ワークキャンプ全体のふりかえり、メッセージカード配布 お昼すぎにワークキャンプ終了
<参加者の声>
岩崎 慎平(いわさき しんぺい・千葉大学2年)
ウトナイワークキャンプを参加してみて、1度で伝えられないほどたくさんのことを学ことができました。今回の作業は短期間で紙芝居を作るというプログラムであって、お絵かきなんて中学生以来やっていなかったし、ましてや紙芝居作りなんて未知なる体験であったので相当なプレッシャーを感じながら現地へと臨みました。しかし、参加者4人のチームワーク・エネルギッシュさ、そしてなによりも素敵なレンジャーさん(インターンのレンジャーも)にも支えてもらった結果、みんなが納得のいく作品へ完成することができました。作業が深夜に渡ってしまい、途中に休憩として軽く飲みを挟んだり、気が付くと絵を塗る姿勢で寝ている人いたり、塗りながらという異様な雰囲気で恋愛やロマンチックトークに花を咲かせていたりなど、今振り返ってみると本当に濃い生活を過ごしていました。野外セミナーではレンジャーから事前に千歳川放水路問題を勉強した後に現場へ見学しました。文系の私にとって、環境問題の知識を得るだけでなく、フィールドに実際行って自分の目で感じたことは非常にいい経験でした。
ウトナイといえばやっぱり鳥です!毎日たくさんの鳥が間近で見れ、自然と鳥の種類をたくさん覚えることができ、同時に関心も大いに湧きました。特に紙芝居の題材であったオオワシを見た時は1番感動しましたね。
泣いたり、悲しかったり、笑ったり、落ち込んだり、疲れたり...でも楽しかった、面白かった、また絶対行きたいと思わせるのがウトナイワークキャンプです。ボランティアって社会に奉仕するだけという考えの人もいるかもしれませんが、このワークキャンプは違います!社会奉仕だけでなく、楽しいから、出会いがあるから(?)、そして本当に自分自身にとって色々勉強になるのです。もし迷っているなら絶対参加しましょう。それだけは胸を張って言えることですね☆
土屋 史(つちや あゆみ・千葉大学1年)
ウトナイ湖ワークキャンプに参加して
私は今回のワークキャンプのメイン作業が紙芝居作りだということを聞いて、最初は紙芝居なんて作ったこともないし、絵もストーリーもすべて自分達で作りあげていかなければならなく、とても不安でした。しかし、現地では、テーマ決め・題材決め・ストーリー決め・下書き作業・色塗り作業をレンジャーさんにアドバイスをもらいながらも、自分達で一つ一つ話し合って進めていきました。ほんの2、3日前には(紙芝居は3日で完成しました。)誰にも想像できなかったものが、みんなの力を合わせて形作られていったのです!私にはとっては一生で一回の紙芝居作りだったかもしれないし、今回のワークキャンプの参加者のあの仲間と一緒だったから完成できたということ、そしてこれからもウトナイ湖のセンターではあの紙芝居が使われ続け残されるということを考えると感慨深いです。今回の作業を通して、紙芝居に限らず企画を作る時には(紙芝居作りではテーマ決めにあたる)コンセプトをしっかり確立させて進めていくことが非常に大事であることを実感しました。参加者の仲間、レンジャーさんと夜を徹して楽しみながら、時には睡魔と闘いながら過ごしたあの時間が忘れられません。自分達の作った紙芝居をまたウトナイ湖に見にいこうと思います!<今日のはみ出しとキャンプ中の皆の様子>
「変なご飯」
ある昼休みの事。机にはご飯(白米とふりかけ入り)、おかずと一緒に置いてある。そして海苔。その日はおにぎりの予定だったが、それより準備が簡単な手巻き寿司にしようという事に。しかし、@ご飯をおかずのようにつつくので食べ方がきたないA海苔の面積が小さくて食べづらいBおかずが微妙。 以上の理由から、皆どうしても笑いがこみ上げ、ご飯が飲み込めない!用意は簡単なのに食べる方に時間がかかったという落ちでした。
「ホッケまるごと」 せっかくなので、買出しでホッケをまるごと買いました。しかし考えてみるとさばける人は・・。という訳で結局その日たまたま来ていた高校生ボランティアの子にさばいてもらうことに・・。結果オーライ、そのホッケはその後おいしいムニエルに変身しました。
「楽しい色塗り!」
ワークキャンプも中盤、ストーリーの流れがやっと落ち着き、絵つけ作業に取り掛かりました。これがなかなか時間のかかる作業。そんな頃、ちょうど北海道に来ていたOGの方が泡盛を持って登場。そしてその日、インターンレンジャーさんが色塗りを手伝ってくれて、私達と一緒に一つ屋根の下でわいわい楽しく作業をしました。夜が更けるに連れ皆は睡魔に獲りつかれていく・・・。がんばる皆の思考回路もZzz…。
フィールド散策:まずは紙芝居製作への第一歩。サンクチュアリの中 を、新鮮な気持ちでおもしろいものを見つけながら歩きました。今回 は無料で(笑)岡本レンジャーの案内解説付きです。 「ここは鳥の通 り道になってるんだよ」 |
ハクチョウ、かわいい〜!近くで見ると本当に大きい・・。 しかし実はこれ、エサをねだる光景でした。 |
野外セミナー:勇払原野の一部、弁天沼(凍っています)あまり知ら |
作業風景1:絵コンテを並べているところです。 「うーん・・。最後の落ちはどうしよう。」 |
作業風景2:もう少しで完成だよ。 | やったー、絵が完成!!皆で記念撮影だ! |
作業も終盤の頃。この日、紙芝居の主人公オオワシを、 やっと見ることができました。メンバー一同、感激!! |
キャンプの成果を鳥獣保護センターにて上演しました。 |