ソロモンの指輪プロジェクトは、谷津干潟自然観察センターで活動するボランティアグループのなかのひとつです。メンバーは学生・元学生で、活動は月1回。自然観察センターのレクチャールームにて。センターにあるスクリーン、音響機材などの設備を使い、子どもたちを対象にした劇仕立ての観察会を開いています。スタッフになってくれる人を募集中!
東京湾には、かつて豊富な生き物たちの住む、広大な干潟が広がっていました。千葉県習志野市にある谷津干潟は、その埋め立てを免れた一部です。周りは住宅地。海とは2本の水路でつながっています。干潟の周りはコンクリートでぐるっと囲われていますが、ここは鳥たちの数少ない休息地として、湿地保全の国際条約"ラムサール条約"に登録されています。
面積は約40ha。貝やカニ、ボラ、ハゼ、ゴカイなどの生き物が豊富で、鳥もたくさんやって来ます。一年に約100種の野鳥、うち水辺で暮らす鳥約60種。このなかには渡り鳥も含まれます。シベリアから渡って来て谷津干潟で冬を過ごす者、旅の途中の休憩地・食料調達地として谷津を利用する者...谷津干潟は鳥たちが安心して休むことのできる、数少ない場所なのです。
この谷津干潟を保全し、もっとたくさんの人に知ってもらうために建てられたのが、"谷津干潟自然観察センター"です。干潟を臨む場所にあり、谷津干潟のおもしろいところ・すごいところ・大切さを紹介するための展示・催しが行われています。
また、ここでは、おじさんやおばさんや若い人や、さまざまな年代の人たちがボランティア活動を楽しんでいます。設備を充実させたり、観察会を開いたり、活動もさまざま。私たちソロモンの指輪PJも、そのなかのグループのひとつです。
では、ソロモンの指輪PJの観察会をご紹介します。迷子になった鳥を探しているおじいさんが出てきたり、探偵団が出てきたり...観察会は子どもたちを劇の中に引き込むところからはじまります。劇の中で、子どもたちは鳥探しの探偵団の一員として、あるいは、王様から出された問題を解くために、観察場所へ向かいます。ここでは姿形をもとに目的の鳥を見つけるだけでなく、鳥たちの行動も観察して野生の鳥の生活にまで興味を持ってもらえるように工夫しています。なかなか鳥を見つけられない小さい子には、スタッフがついて一緒に探してあげることも。スタッフの腕の見せどころ!
観察が終わると、今度は鳥との会話がはじまります。スクリーンには干潟に設置してあるカメラを通して、鳥の生映像が映し出されます。子どもたちがいるのと別の部屋にスタッフ1人が待機。スクリーンを見ながら鳥になりきって子どもたちに話しかけます。
子どもたちと鳥をつなぐのは、プロジェクトの名前にもなっている"ソロモンの指輪"です。むかしむかし、ヘブライ王国の王様・ソロモン王が持っていた宝物で、これをはめればどんな動物とも自由に話ができる魔法の指輪。子どもたちは観察して疑問に思ったことを鳥に質問します。返答に詰まるような質問が来るときもあるけど、子どもたちがたくさんの、それぞれにおもしろい質問をしてくれたときの、うれしさ、達成感はたまらないものがあります。
「鳥たちとの楽しい出会いを大切にしてね。」「いつも問いかける気持ちで観察すれば、生き物たちは、きっと答えてくれるよ。」こんなメッセージで劇はおわります。
劇のストーリーも小道具も、自分たちの手作り。「鳥たちのこんなおもしろいところも知ってほしいな。」「はじめてソロモンに来た学生でも上演できるようにするには、どんなふうにしたらいいのかな。」みんなで問題点、意見を出し合って、ゼロから考えていきます。上演も楽しいけど、観察会を作る過程もやりがいがあります!
ソロモンの指輪PJでは、いっしょに劇の上演・観察指導に参加してくれる人を募集しています。野生の鳥を見たことがなかったり、鳥のことをなんにも知らなくても大丈夫。鳥に詳しいメンバーがいるし、あんちょこも用意してあります。スタッフは千葉県を中心に、さまざまな大学から集まっています。
やってみたいと思った人は、毎月第2日曜日、谷津干潟自然観察センターに午前10時に来てね。もちろん見に来るだけでも歓迎なので、気軽に遊びに来てください。事前に連絡をくれても、当日いきなり来てくれてもOKです。待ってるよ!
ご連絡はF.A.Networkまで。
Eメール fan@fa-net.org
お電話 090-7633-2002
【活動情報】
谷津干潟自然観察センターでは高校生以上を対象に、常時ボランティアを受け入れています。ソロモンの指輪のほか、紙芝居、バードカービングなど様々なプロジェクト活動が行われています。
○開館 9:00〜17:00(月曜休館)○交通:京成谷津駅より徒歩30分、または、JR京葉線南船橋駅より徒歩20分